スズノブ

ブランドを持たない産地
今の消費者は「米処」という言葉を知りませんので、東北6県も「米処」とは言われていません。
唯一消費者の中にある「米処」はというと、新潟県だけだと思います。
お米を作っている産地は、日本中です。そしてコシヒカリを作っている産地も、日本中のほとんどです。
「米処」という言葉が残っていたときには、産地を代表する品種がありましたし、産地も、その品種を作る事に対してプライドを持っていました。
今では、どこへ行ってもコシヒカリ。美味い米はコシヒカリ。売れる米はコシヒカリと、全てがコシヒカリ一辺倒となってしまっています。
これでは「米処」という言葉が存在できるはずもないですし、産地のプライドも、こだわりも、あったもんではないと思っています。

一昔前のブランド米のイメージというと「産地+地域+品種」または「地域+品種」や「産地+地域」ということになると思います。
つまり、上のレベルのイメージとしては、新潟県+魚沼+コシヒカリ、島根県+仁多米+コシヒカリ、長野県+幻の米+コシヒカリ などで、下の特売米的なイメージとしては、茨城県+コシヒカリ、千葉県+コシヒカリ、秋田県+あきたこまち、山形県+はえぬき などと考えてください。
上のレベルのイメージなら、まだしばらくは「今までのブランド米」ということで、残っていけるかもしれませんが、下の特売米的なイメージでは、もはや価格にプラスαが付かない状況となってしまっていますので、数年後には難しい状況に追い込まれてしまう危機もあるのではと思っています。

某県でヒ素や原子力の事件があったときに、県全域のお米の流通が止まってしまったという過去の事実がありますが、どうしてそうなってしまったのでしょうか。
県の販売方法は、“○○コシヒカリ”という県全域をひとまとめにした販売、つまり、下の特売米的なイメージでの販売をしていて、“県+○○○地域+コシヒカリ”などという、消費者に認知されている地域ブランドを持っていませんでしたので、1箇所のトラブルが、県全域のお米の問題となってしまったのです。
もしもあのときに、既に地域ブランドがあって、消費者の中で、地域の違いや、距離間がイメージ出来ていたとしたら、県全域の流通が止まってしまうことは無かっただろうと思います。

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