スズノブ

脱コシヒカリが最大のテーマ
現在の日本のお米は、“コシヒカリ”だけで、全体の4割弱の作付状況となってしまっているという問題があります。
平成5年のときにあった「大凶作」のときも、“コシヒカリ”か“コシヒカリ”系統ばかりで無かったのなら、また違っていたかもしれません。
そして今、世界的な異常気象だけでなく、日本全土にわたる温暖の問題を抱えていて、産地からも「このままでは大変な事になる」という声が、遅ればせながら出始めていて“コシヒカリ”だけに頼り切らずに色々な品種を、バランス良くお米を作っていこうという方向になり始めています。
しかし、まだまだ消費者イメージが“コシヒカリ”中心となってしまっているため、産地も生産者自身も“コシヒカリ”中心となってしまっているため、なかなか方向転換が出来ないままになってしまっているのです。

たぶん皆さんは洋服を選ぶとき、聞いたことが無いメーカーであっても、「このデザインや素材や色が好き」などと自分なりに気にいれば買うと思いますし、調味料などでも「このメーカーは辛口。こっちのメーカーは甘口。でも自分の好みはこのメーカー」などと自分の好みを知って選んで買っていると思います。
このように、誰にでも好みというのはあるわけで、何かを購入しようとしたときには、自分の好みに合うものをシッカリと探してから買っていると思うのです。
ところが、1年間毎日違う品種を食べても食べ比べできないほどの品種があるにもかかわらず、なぜかお米だけは『“コシヒカリ”を買っていれば間違いが無いんだ、美味しいんだ』となってしまっていて、自分の好みでシッカリと選んでいるようにはとても思えないのです。
他のものを選ぶときには出来ているのに、なぜお米だけは自分で選ぶことが出来ないのでしょうか。
不思議でしょうがありません。

お米には●外観●香り●味●粘り●硬さという特徴があり、これらの項目のバランスがよいのが、比較的有名な産地の“コシヒカリ”です。
そしてこのバランスは、全ての品種で異なっているだけでなく、それが同じ品種でも、産地や地域によっても、その年の天候によっても異なっていて、それが全てその銘柄の個性や特徴となっています。
したがって、この違いというものを自分なりに理解することが出来れば、おのずと“コシヒカリ”という名前だけに頼らず、自分の気に入ったお米を選ぶことが出来るはずなのです。

具体的な例をあげてみると、自分は今食べているお米よりも《もっと粘りがあるご飯が好き》というのなら、今食べているお米よりも、もっと粘りが強いお米を選んだほうが良いのは当然のことで、もし今まで“新潟コシヒカリ”を食べていたというのなら“夢ごこち”や“ミルキークイーン”になるでしょう。
また、今食べているお米よりも《もっと柔らかいご飯が好き》で、今食べているが“新潟コシヒカリ”だったとしたら“ひとめぼれ”などが合うかもしれません。
《サッパリとしたご飯が好き》というのなら今食べているお米よりも味・粘り・硬さが控え目なお米。
《食べ応えがあるご飯が好き》というのなら今食べているお米よりも味・粘りが強いお米を選ぶべきでしょう。

今までは、あくまでも違う品種に変えるための説明をしてきましたが、自分はどうしても“コシヒカリ”が好きだから、“コシヒカリ”で選びたいというのなら、“コシヒカリ”は44都府県で栽培されていますし、全て違う特徴を持っていますので、産地などを変えて食べ比べをしてみることで、ハッキリとこの産地の“コシヒカリ”が好きと決まると思います。
そしてそれは、自分の好みをシッカリと選んだ結果という事になるので、とっても良いことだと思います。

これ以外にも好みは色々と分かれるはずで、たとえば、《小さい頃に食べていた味》が食べたいなど、出身地や育ってきた環境によった好みもありますし、また、《玄米が好き》《分搗米が好き》《雑穀米が好き》など、食べ方によってた好みもあります。
《小さい頃に食べていた味》などは、いくつになっても、ある日突然食べたくなったりするもので、そういうときには素直に身体が美味しさを求めている証拠でもあると思えるので、疑問がらず不思議がらずに食べてみるべきだと思います。
それによって懐かしさとは違った、自分が求めていた好きな味や特徴というのが見つかるかもしれないからです。
ここ数年、若い女性を中心に《玄米が好き》《分搗米が好き》《雑穀米が好き》という声が多くなってきていていますが、この場合は自分の好み以外に、お米をどのようにして食べるか、さらに調理器具に何を使うかによっても美味しさが違ってきます。
これらのことからも、“コシヒカリ”だけが全てではない事が判るはずです。

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