スズノブ

水田の生き物
産地や故郷で見られる原風景は、日本人にとっては好きな風景のひとつと言われていますが、その風景の中にある水田には、生き物たちの姿や鳴き声がしていて、その全てが一つとなって水田の景観として共に浸み込んできます。

水の中にはメダカやドジョウなどの魚たちのほか、タガメなどの昆虫類、ザリガニやタニシも潜んでいます。
稲には稲を食べる虫たちが住み、その虫たちをエサにしてカエルやトンボが暮らしています。
そして鳥たちも、それらの水田の生き物を求めてやってくるのです。

まさに水田は、さまざまな生き物たちにとっての、貴重な生活の場となっていて、1年間の間に水をたたえる時期と、水のない時期があるという、水田ならではの独特の環境の下で、独自の生態系が保たれているのです。

山があり、森があり、そこから流れ出る川があり、池があり、そして水田があり、森に育まれた養分をたっぷり含んだ水は、水田に導かれて稲を元気に生育させます。
逆に水田は水を受け止め保水する事で、水害を防いだり、土壌の侵食を防ぐなど、自然環境を守る役割を果たしています。
また、水田という独特のスタイルは、畑のように塩害や連作障害を起こす心配もありません

自然というものは、人間が作り出した人工物を、なかなか認めてはくれないため、しばしば自然と人工物の間で災害が起こり続けています。
水田も人間の手によって作られた人口物ですが、唯一、水田だけが見事に自然と調和し、大自然の一部として生命のサイクルを支えているのです。

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