スズノブ

新米ブームが来なくなった理由
スズノブは10年以上前から、7月下旬に出回ってくる“宮崎コシヒカリ”・“鹿児島コシヒカリ”などの新米の販売をしていません。
なぜ販売をしないのかというと、早く出すことだけに意識が集中してしまっている銘柄と感じているのためです。
理由はというと、刈入れ時期が早すぎて青米(未成熟米)が多かったり、米粒に張りが無かったり、炊き上がりにムラがあったり、香りが出なかったり、新米の良さが出なかったりという、悪い言い方をいれば「出来損ないのお米」を、毎回「新米」として出回らせるため、購入した消費者から「新米なのに美味しくない」というクレームが毎年続いてしまったことで、「これ以上販売を続けると、店のマイナスとなる」と判断したことが1つ目の理由です。

また、お米の保管技術が良くなったことから、昨年の米でも品質や食味に影響が無いので、新米が出たかといって、今まで食べていた産地を止めてまでも、急いで新米に切り替える必要性がなくなってしまったことが2つ目の理由。

さらに、夏休みなどに貰って帰ってくる「縁故米」が邪魔をしてしまって、縁故米を食べきらないことには新米を購入することがないことから、7月下旬から10月中旬までに出回ってくる新米については、思った以上に販売することが出来ないという現実があることが3つ目の理由。

そして、インターネットなどで「産直米」も動いていることから、わざわざスーパーなどに買いに行かなくても、スーパーの特売品程度の価格で「新米」が家まで届くので、消費地のお店でお米を買わなくなっているというのが4つ目の理由です。

もともと東京市場において“宮崎コシヒカリ”・“鹿児島コシヒカリ”は、関東産の新米が出るまでの「つなぎ」の役目しかしていないと思っています。
なぜなら、年間販売をしているわけでもなく、販売したとしても1便(1回だけの入荷)だけで、ほとんど終わらせてしまっているからです。

さらに「出来損ないのお米」・「新米なのに美味しくない」というクレームから、消費者の人気も年々低くなっていっているため、「クレームも怖いし、売れないと分かっているのに、無理して仕入れない」という考え方も多くなってしまっているとも思っています。

そしてこの結果は、2つの産地に対して、「今のままだったら、東京市場はいらない」と言い切ってしまっているようなものだと考えても間違いではないと思います。

“宮崎コシヒカリ”・“鹿児島コシヒカリ”が出回らなければ、その続きとして出回ってくる四国地方の新米も同じように出回ってきません。
したがって、この数年間の新米の動きを考えてみると、東京市場の新米は、関東産からということになると思うのですが、3つ目・4つ目の理由によって、8月・9月もお米の販売は伸びませんので、“千葉あきたこまち”・“千葉ふさおとめ”・“茨城あきたこまち”・“千葉コシヒカリ”・“茨城コシヒカリ”の新米も、思った以上に売れない状況となっていると思います。
そのため、これらの産地も「伸びるはずが無い、売れるはずが無い」という理由から、品質の出来不出来に関係なく、仕入れ量も最小ロットとなりますし、他の産地の新米が出てくる前に、少しでも早く売り切ってしまいたいという考え方から、販売価格も特売価格のまま据え置きとなってしまうことが多いと思っています。
そして毎年、この最初の新米価格が、後からくる産地の価格にも大きく影響してしまっていのです。

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